下町バームクーヘン

2010年2月18日

私はパサパサしたものが苦手だ。
食べた時に、口の水分を全部持って行かれるようなものが苦手。
ケーキのスポンジでも、シットリしているものが好き。
ゆで玉子は半熟。
鶏ササミよりも、もも肉。
茹でた栗、ふかし芋(物による)、きなこ、焼き過ぎたレバ…みんなパサパサで苦手。

昔のバームクーヘンはパサパサしたものが多かった。
単に貧乏だったから、シットリした高級なものは口に入らなかっただけかも知れない。
いや、値段に関係なく、バームクーヘンなんて近所に売っていなかったように思う。
頻繁に食べられるものではなく、結婚式の引き出物か何かで親が持ってきた時くらいしか、見ることもままならなかったような気がする。

その、高価でたまにしかお目にかかれなかったバームクーヘンは、水分無しでは食べられなかった。

「よく、水分無しでご飯が食べられるね」と言われるほど、昔から水分を摂る習慣が無かった。
そんな私でもバームクーヘンは水分が無いと食べられなかった。
パサパサだったから、親に「下に広告を敷いて食べなさい」なんて言われたりした。
シットリしていればポロポロと落下しないのに、パサパサだから余計にこぼれる。
だから私はよく、ホットミルクに浸して食べたりしていた(それがまた貧乏くさい)。
バターやマーガリンのお世話になることも多かった。

大人になってからはバームクーヘンを見る機会が多くなったが、買おうとも思わなかったし、お茶請けに出されても手を伸ばす気にはならなかった。
「どうせまた、口の中の水分持って行くんだろう?」という、何か自分が生きていく為に必要なものを取られてしまうような危機感が有ったのかも知れない。
最後に食べたのはいつだったのか全く覚えていない。
それほど私はバームクーヘンを食べていないのだ(嫌いじゃないんだけどね)。

先日『精肉問屋 渡辺商店』に行った時、駅構内でこういう売り場を見付けた。

下町バームクーヘン
北千住駅構内

どうやら、焼きたてのバームクーヘンを売っているらしい。

下町バームクーヘン
下町バームクーヘン - 本日最終日

それも、本日最終日ということだった。
本日最終日ということは、今日でこの売り場は最後だということだ(当たり前だ)。
明日ここに来ても買えない。
買いたくても買えない。
買えないからといって北千住駅構内で寝転がり、子供のようにダダをこねたら、きっと機動隊が来るに違いない。

今日買っておかないと、もしかしたらモーレツに後悔するかも知れない!

最終日だからかも知れないが、1本(こういう数え方でいいのかな?)300円だという。
『下町バームクーヘン』という名前もいい。
「下町」というと、何となく人柄の良さというか、人間の温もりが感じられる。
「焼きたて」というのもいい。

近付いてしまった。
そして買ってしまった。
選んだのは、プレーンとメープル。

下町バームクーヘン
下町バームクーヘン

もしかしたら十年以上食べていないんじゃないかと思うバームクーヘンの味は…

美味しかった。
昔のパサパサした食感では無かった。
バターやマーガリンを塗らなくても、充分美味しかった。
勿論ホットミルクのお世話にならずとも、ポロポロ落下することはなかった。

うぅむ…
ヤルなぁ~下町バームクーヘン(^^)

≫下町バームクーヘン◆乳糖製菓ホームページ

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