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2007年12月03日

ボンアトレと反骨精神

ボンアトレさんのホームページがリニューアルされています。
そのページ内にコラムというものが有り、今回はボンアトレシェフの奥山さんと豆蔵の江口さんの対談が載っているわけですが、 その中で非常に興味深いお話を奥山さんがしていますので紹介させて頂きます。

… ここから引用 …

一部の裕福な人たちが本当においしいものを食べているけど、 実はその人たちは味を知らない。
すごく矛盾してるんだけど、大金持ちになって高い料亭に行っても、お店の人が出した物は、実は本当においしいものじゃないかもしれない。 本当においしいものは味のわかる人に出したいから。

… ここまで …

個人的な解釈なので、あまりにも違った解釈をしていたらすみません。

この一説は、非常にチャレンジ精神溢れる一説だと思うんです。
理屈っぽい人に読まれれば「じゃあ、あなたは客を見て出すものを変えるのか?」と言われかねない。
この理屈は、ある意味正解で、ある意味不正解なんですね。
それが出来る商売も有れば、出来ない商売も有る。

私がカウンターだけの料理屋をやっていたとして、そこに2人のお客さんが来る。一方はそんなに裕福じゃないんだけど味の解る人で、 もう一方は裕福で美味しい物・珍しい物にはいくらでも出すけれども舌がイマイチの人。
手元に佐賀関で水揚げされた極上の関サバが有る。
しかし今日は残り1人前しか有りません。
じゃあ、私はどっちに極上の関サバを出すのか。

料理人としては、絶対に味の解る人に出したいんです。
滅多に入らない極上品なんですよ。
味の解らない人に出したら勿体ないじゃないですか。
でも商売を考えたら、裕福な方に出せば確実に結果が出ます。
こういうお客さんというのは、『滅多に入らないもの』を出すと喜んで商売に繋がるからです。 きっとあまり間を置かないうちに再訪するでしょう。

ここが料理人のジレンマであり、商売の難しさでもあるわけです。

≫ボンアトレのホームページはこちら

ご本人には失礼な言い方かも知れませんが、これは反骨精神の表れだと私は思うんです。でなければ、この考え方は産まれない。 幼少の頃から裕福なボンボンには出て来ない考え方なんです。
今まで生きて来て、自分が一生懸命作ったものを金持ちにクソミソに言われ、何回も「くっそー!」と思った事が有ったのではないでしょうか。
「金持ちがどんなものなんだ」と。
そこまで行かないかも知れませんが、私はそうでした。
私は、貧乏人根性が本当に美味しいものを作り出すと思っています。
それが反骨精神なんだと。
反骨精神=ひがみ・ねたみ・そねみだと思った人は、私とは考え方の合わない人でしょう。

サバ

これを見てどう思いましたか?
「何でケーキ屋の話をしているのにこんなものを出すんだ?」と思いますか?
それとも「脂がノッて美味しそう」と思うのでしょうか。
この写真は、普通に食べている家庭料理のひとつです。
これを美味しそうだと感じなくて、5000円・10000円のコース料理を美味しいと感じる味覚はどこに有るんでしょうか。

ここまで書いたら言ってしまいますが、『○○しんぼ』とか他の漫画は、所詮漫画なんですよ。 あそこまで舌の肥えた人は1万人に1人居ない(私は○○しんぼの雁屋哲さんは好きでコラムも買っていますが、 漫画に関しては誇張し過ぎでいると思っている)。
そういうものを見て食通の振りをしている人が、私は一番タチが悪いと思っている1人なんです。
私がラーメン屋を期間限定でやっていた時も、ラーメン通の人達が食べに来てくれていました。 以前書いた桜井さんのような本当の味が解る人も居れば(そういう人は通ぶらない)、「ここの店は○○○産の○○○○を使い…」 と書いているラーメンフリークのブロガーも居る。

これは作り手同士で良く出てくる話です。
「○○○産の○○○○?そんなの使って無いけど(^^;」
ラーメン通の中で有名な人も居ます。
レポートに素材の事は何も書かれていない。
実はね、食べただけでは解らないんですよ、本当の話。
本を作成する時は、店主に何の素材を使っているのかを聞いて書いているんです。だから自分の舌で判断したものではないんですよ、当然ながら。

それで私は自分のページをB級グルメに限定しました。
味と価格をリンクさせたかったんです。
ですが、B級グルメ以上の食べ物には負けていないという自信が有ります。
それは奥山さんの言われている通り、金持ち=食通ではないからなんですよ。
お金持ちだから舌が肥えているかというとそうではなく、メディアに載っているから美味しいというものではない。
本当に美味しいかどうかというものは、自分の舌で判断するしかないという事なんです。

今回は奥山さんのお話に共感したので、こういうエントリーにさせて頂きました。
ボンアトレのケーキはB食の話に出すのは失礼かも知れませんが、対談を拝見して非常に納得しましたので、 私個人の意見も追加させて頂きました。

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コメント

裕福な人に、「高品質の関サバ」といって、普通の関サバを。
味のわかるひとには、
「あれほどの品質ではありませんが……、これもかなりの……」といって、極上の関サバを。

しらなみさん>
> 裕福な人に、「高品質の関サバ」といって、普通の関サバを。
> 味のわかるひとには「あれほどの品質ではありませんが……、これもかなりの……」といって、極上の関サバを。

しらなみさん、面白いなぁ~(^^;
これに似たような事ってたくさん有りますよね。
私はいくら極上品を出されても、不味いものは不味いと評価する事にしています。だって、自分の口に合わない物は美味しくないんですからねぇ。いくら高級だって言われても、保存方法や料理技術によって変化するわけですから。

特別待遇されたというだけで舞い上がる人間にだけはなりたくありませんです。

σ(^_^) の企画には、たいてい”何か”あります。

この場合は、「どちらが質が高いか」をはっきりさせていないのがポイントなんです。
つまりは、勝手に誤解させるわけです。

「あっちとは質が違う」というのを、
どう、都合のいいように誤解させるか、
それがワザなわけです。
(このへん、日本語と日本の文化は便利なんですけどね。)

そして、これには、そのかわり絶対に嘘はつかないっていう
確固たる理念が必要なんです。

しらなみさん>
> つまりは、勝手に誤解させるわけです。

なるほど。
これはやってみる価値有りですね。

> そして、これには、そのかわり絶対に嘘はつかないっていう
> 確固たる理念が必要なんです。

理解しましたm(__)m

さて、その後のストーリー展開として、裕福な方にありがちな「そっちの方も食わせろ」と言われた場合、1切れ食べさせて万が一関サバより美味しいと感じてしまったりすると厄介ですね(笑)

あと、味の解る人が隣に出した関サバよりも自分の方に出してもらった極上のサバ方が美味しいと感じてくれると有難いなぁ~なんて思ったりします。その場合は両方食べてもらわないと解らない。
味の解る人の極上のサバに味の解らない方の関サバを1切れだけ盛っておいて、言葉で伝えられないからジェスチャーで「1切れ入ってますよっ」と伝えようとするんだけど、私のジェスチャーがあまりにもヘタクソで、味の解る人に「何バカな事やってんだ?」なんて思われるとモーレツに凹みます(爆)

「舌はいまいち」という前提だったぢゃないですかぁ~~。
それぢゃぁ、いきなり自分だけ天婦羅を揚げる音のカセットを出す海原雄山ですよぉ~~。

というわけで、たとえ「違い」はわかるかもしれませんが、「(オレの方のが美味しい)」と思い込んでくれるという前提があります。

で、裕福な人は味のわかる人に、
代りの一切れあげるのでしょうか?。

そしたら、
「(あ、これはオレの方のが美味い。
 店主さん、ありがとう (-人-) ) 」

ということにはなりませんかね?。

ということになる可能性の方が高くありませんかね?。

「サバの塩焼き」も「鰤の照り焼き」も大好きな
 しらなみ でした。

しらなみさん>
> 「舌はいまいち」という前提だったぢゃないですかぁ~~。

エヘヘ(^^;

> で、裕福な人は味のわかる人に、
> 代りの一切れあげるのでしょうか?

「おぅ、これが関サバなんだぜ」って言いながら。
裕福な方がそこまでマヌケだと嬉しいなぁ~(笑)

> ということになる可能性の方が高くありませんかね?

高いです。
これ、漫画か何かのネタになりそうですね(^^)

> 「サバの塩焼き」も「鰤の照り焼き」も大好きな
>  しらなみ でした。

関ジャニを「せきじゃに」と言ってしまう、たいちょでした(爆)

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