■我が家全員が好きでない物

BACK

 我が家の食べ物の好みは、だいたい「私と子供vs女房」という事になってしまうのだが、唯一全員が好きではないという物がある。

 それは「鍋物」

 我が家は全員鍋物が好物ではなく、私なんか鍋物を料理だとは思っていません。(ちゃんと手間がかかる鍋物が有るのは勿論知っているし、美味しい鍋物が有るのも知っているんですよ、私も作りますからね)

 JRAのRicky氏が冷し中華を認めないように、私も鍋物を認めないんです(^-^;
(いや、寒い地方だとか、何かの理由が有る場合は違いますよ。例えばプロレスラーが作る「ちゃんこ」は好きだし、相撲部屋で食べた「ちゃんこ」は最高に美味しかったしね)

 毎日鍋物なんて考えただけでも気が遠くなってしまうし、そういう生活を好んでしている人(多分居ないか、居てもごく少数だろうけど)の気持ちが解らない。まぁ私とは気が合わないんだろうけどね。(言っておきますけど、これは私の好みだからいちいち眉間にシワをよせないように)

 子供は一般的に鍋物が嫌いです。そんなもの食べるのならば、鶏の唐揚げや、スパゲッティなんかを食べたいと思うのが普通。そんな中に「私は鍋物が死ぬほど好き」なんていう母親が居たら大変で、一週間に三回も四回も鍋物を出されるかも知れない。そんな事をされたら、そのうち子供は鍋を見るのも嫌いになるだろう。父親がそうでも同じ事だが……(いや、その前にそんな人って居るのか?)
 「ボクは鍋物が好きで毎日でもいい」なんていう子供が居たら、是非お目にかかりたい(ホントの話、まず居ないだろうなぁ)

 世を凌ぐ仮の女房が鍋物嫌いで本当に良かった。もしも彼女が鍋物好きで、週に一回なんていう頻度で鍋物を出す人だったら、今頃離婚しているだろう。冗談抜きにして本当にそう思う。いや、それ以前に、そんな気が合わない人とは、結婚すらしていないだろうけどね。

 さて、そんな私でも好きな鍋物が有るんですね、これが(笑)
 まず鍋物というのは、素材の持ち味のハーモニーを楽しむ物だと私は思っている。だから「今日は白菜と豆腐の鍋だよ」なんて言われたら、「これをどうやっておかずにする気だ!」と言いたくなる。ピリ辛の中華ダレ(腐乳・醤油・ゴマ油・ニンニク・香菜・唐辛子などで作ったもの)でも用意してくれるのなら食指が騒ぐというものだが、そんなものをポン酢で食べろなんて言われたら、明日へのパワーが半減する。これじゃ、病気で体が弱っている人が白菜のおしたし食べているのと同じではないのかな?(涙)

 ま、とにかく鍋物は素材の持ち味のハーモニーを楽しむ物だという事で話をしたいと思います(^^)
 私が生まれて初めて相撲部屋に行った時は驚きました。とにかく何でもかんでも鍋にぶち込んでしまうのだ。ちゃんと下処理はしますよ。しますけど、あんなに色々な素材を入れてしまったら、味がバッティングしてしまうのではないかと心配してしまうほど入れるのである。

 これがまた、最高に美味い(^o^)
 何でこんな味になるのか解らないけど美味い。鍋の中に何が入っているのか、ひとつひとつちゃんと解る。解るんだけど、それら全てが仲良くなって協力し合い、自分の持ち味を二倍にも三倍にもしている。
「私ね、私の味も積極的にアピールしたいけど、君達の味も同時にアピールしたらもっと美味しくなるよね」という、芯にシッカリした物を持ちながらにして謙虚さも同席している素材達。それをうまく調和させる料理人。それが鍋物の醍醐味というふうに私は思うのです。

 私はこの時に、自分が好き嫌いが無く、食いしん坊で良かったと感じましたね。だってね、好き嫌いが多かったり、新しい味を確かめもしないうちから否定するようなお馬鹿な人間だったら、このような味には巡り会わないわけだから。あぁ可哀想だなぁ。

 だから我が家は寄せ鍋は食べます。今回はどういう寄せ鍋にしようか、素材は何をどのくらい使おうか、私は白子が好きだからたくさん入れてねとか(これは好みじゃないか!)。
 とにかく寄せ鍋は騒がしくて良い。素材が騒がしく入っていて、そして上手く調和し、その騒がしい鍋をみんなで騒がしくワイワイ食べるのが良い。帰宅して、幾重にも重なった素材の良い香りがするとウキウキするものだ。

 そういえば「冬の素材のハーモニー」っていう歌が有りましたね。玉置&陽水の(爆)

 しかし帰宅して昆布をしいた湯豆腐の香りを嗅ぐと、目の前が真っ暗になる。いきなり栄養失調になってゲッソリ痩せたような気がする(実際は太っているのにね)。何となく病人になったような気がして、布団を敷いて寝込みたくなってくる。他の豆腐料理は大好きなのに、その豆腐が鍋に入っているだけでうんざりする。

 こんな事を言うと、「ほほぉ〜、Kan'sは淡泊な味が解らないヤツだな?」なんて思われるかも知れないが、私は「淡泊好きで味音痴」とか「食通ぶった屁理屈屋」を何人も見て来ましたから。


余談


 以前、「私は毎日鍋物でもいい」と豪語する人をラーメン屋に連れて行ったんです。
 食にはうるさいんだけど、自分では料理は何もやらずに口だけ出すタイプね。そう、能書きコキで、女房に一番嫌われるタイプ。私とは食べ物の好みも、性格も、考え方も、全く違う人。仕事上の付き合いだから仕方なく口ききますが、そうでなければ顔も見たくありません(^-^;

 その人が「Kan'sさん、ラーメン屋で最近話題になっている所に連れて行ってよ」と言うんですね。私がラーメン好きで食べ歩いている事を知っていますから。「○○○さんの気に入るラーメンかどうかは解りませんよ」と一応言った後に、煮干系の某ラーメン店に連れて行ったわけです。

 その人、一口食べて「いや、この上品な味……鶏ガラかな?」と言うんですね。この時だけは私もビックリして「あの、これ煮干系ラーメンなんですけど……」って言ってしまったんですよ。そしたらその人、今度はバツが悪くなって「いや、このスープには少量かも知れないけど鶏が入っていると思う」って言い張るんです。とにかく自分が間違えたという事実を認めたく無いんですね。
 どこにでもいるでしょ? こういうプライド持ったバカオヤジが(@_@)

 こういう人は普通に相手する事が出来ませんから、こっちが大人になって「あ、そうかも知れませんね。○○○さんは食通でいらっしゃるから(^^)」と、その場の雰囲気を立て直そうとしたその時、「うちの醤油ラーメンには鶏ガラ使ってないんですよ」と店主。
 その後は大変な騒ぎですよ。その人は自分のプライド傷つけられたって事でその店を悪く言うしね。表面上はプライド傷つけられたなんて言いませんけどね。悪口言い放題なんだよね〜 (>_<")

 このようにね、食べ物にうるさい人だから、その人の舌も素晴らしいとは限らないんですよ。
 淡泊な物が好きだからといって微妙な味が解るかと言えば、それはまた別の話なんです。